「興味のある・なし」が大きく影響するのが、子どもというもの。特に、ギフテッドとよばれる子供たちは、その傾向が強い気がします。
今回は、勉強系の習い事をご紹介します!
習い事を選ぶポイント
最初に、勉強系に限らず、どんな習い事にも共通するチェックポイントをご紹介します。
- 家からの距離・移動手段
- 興味の有無
- 先生との相性
- プログラムとの相性(テキストか実験かなど)
- 環境との相性(クラス替えなど)
繊細な子の場合、電車移動で疲れてしまうこともあります。電車の音や匂いなど、思いがけないところでストレスを抱えることがありますので、お子さんの様子を見ながら、可能であれば車や徒歩で移動できる場所が望ましいです。
中学受験塾
最初にご紹介するのは、中学受験塾です。
最近注目されている「ギフテッド」ですが、もちろん、令和になって突然発生した人種ではありません。そのような傾向のある子は昔からいました。中学受験塾は、そんな子供たちの受け皿にもなっていた印象があります。
学校の勉強よりもはるかに思考力を要求する問題が出題されます。ギフテッドのお子さんもやりがいを持って学べるのではないでしょうか
また、一部の専門家は、ギフテッドのお子さんに中学受験を勧めています。中学受験のメリットは、以下のようなものです。
- 受験勉強がおもしろい
- 「勉強しないとわからない」経験ができる
- 受験勉強で友達が見つかる
- 自分に合うカラーの学校を選べる
- 進学先で似たような子に出会える可能性がある
- 結果的にいじめに合いにくい
一方、声を大にしてお伝えしたいこともあります。
高IQの子は、発達に大きな偏りがあることも多いです。すべての科目で優秀な成績を修められるとは限りません。また、モチベーションの有無によって、取り組みの態度が大きく変わります。
完璧主義が強い子の場合、テストの復習が苦手なことがあります。「復習」では、間違ったところしかやりません。そのため、「ここも間違っている、こっちもダメ、ぼくはダメ」と感じてしまうことがあります。
もちろん、ギフテッドなのに難関中学校に進学できなかったと落ち込む必要は、まったくありません。そのような考え方を持ってしまうと、中学受験が親子の首を絞めかねません。
「算数の難問を解くこと」よりも、「大好きな昆虫について深く調べていくこと」のほうが、その子にとっての学びかもしれません
受験塾を選ぶポイント
中学受験塾には、大小さまざまな塾があります。難関中学校に強いと言われるSAPIXでは、頻繁にテストが行われ、その結果によってクラス替えが行われます。
この「テスト」と「クラス替え」との相性は、事前にチェックしておくことが大切です。
考えられる | メリット考えられるデメリット |
---|---|
順位がでることでやる気アップ 漢字で失点がイヤで、苦手な漢字もがんばれた | 先生が変わることがストレス クラス落ちで激しく傷つく 自己肯定感が失われる |
テストの結果に応じて頻繁にクラス替えが行われる場合、「環境の変化に弱い」子には負担になる可能性があります。また、完璧主義が強い場合、「クラス落ち」などで必要以上に落ち込んでしまう可能性もあります。
くもん式
くもん式は、幼稚園から通える習い事です。スモールステップの反復学習を行うことで、自分1人で学びを進めることができます。
反復学習を苦手とするギフテッドのお子さんと相性はよくないと思いますが、苦手克服になる可能性もありますので、幼稚園児~小学校低学年であれば、検討の余地はあります。
ギフテッドのお子さんに限らず、「ケアレスミスが多い」という話はよく聞きます。公文式で計算ミスを減らしておくとメリット大。
くもん式については、以下のコラムで取り扱っています。
探求塾
補習塾とも受験塾とも一線を画す、「探求塾」。新しいジャンルの習い事です。
とことん突き詰め、掘り下げていく学習スタイルは、ギフテッドのお子さんと相性が良いと思います。また、探求心のあるお子さんが集まっているので、「どことなく似た匂い」がする友達にも出会えます。
先生たちも個性の強いお子さんの扱いになれていて、安心できます
ただし、注意点もあります。
テーマによって、やる気が「天と地」ほど違う……
〈戦国武将編〉ではあんなに生き生きしていた息子が、〈海の生き物編〉では嫌がって大荒れ……なんてこともありえます。お子さんの様子を観察しながら、通学か単発を選ぶとよいですね。
探求塾の先駆けとして有名なのは、探求学舎です。都内ならエイスクールもおすすめです。
そろばん
そろばんでは、計算力を上げることができます。また、指先を使いますので、もしかすると、指先の巧緻性がアップするかもしれません。
ただ、「単純作業」であり思考力を必要としないこと、不器用ゆえに玉を弾くのが難しいことなどから、相性はいいとは言い難いです。計算ミスを減らすことができますが、本人が嫌がる場合には、無理をさせないほうが良いと思います。
通信教育
通信教育のメリットは、好きな時間に取り組めること。ギフテッドおよびその傾向のあるお子さんは、学校と相性が悪いことがあります。頭がいいとは言え、不登校になると、学業面での不安はつきものです。
できれば午前中に勉強をさせたいという場合に、取り組みやすいのが通信教育です。
もちろん市販の教材でもいいのですが、毎回のテキスト選定はなかなかやっかいです。
通信教育であれば、バランスよく2~4教科に取り組め、ペースメーカーになってくれるので助かります
- 平日日中に取り組める
- 学業のペースメーカーになってくれる
- 学習漏れや、単元のムラがなくなる
通信教育にもいろいろありますから、家庭の状況や本人の好みで選ぶと良いですね。
以下の記事では、Z会、スマイルゼミ、進研ゼミ、四谷大塚リトルくらぶを比較しています。通信教育選びで迷ったときには参考にしてください。
囲碁・将棋
「思考力」「論理力」を養うため、囲碁・将棋も、勉強系のカテゴリーに入れました。
IQが高い子、特にWISC項目の「言語理解」が高い子は、強くなれる可能性が高いです。
ただし、将棋や囲碁と勝ち負けは、切っても切れない関係です。ギフテッドのお子さんは、完璧主義で負けず嫌いのことが多いです。長時間かけて対局して、負けたときの悔しさときたら、(彼らにとっては)もう、筆舌に尽くしがたいです。
将棋や囲碁は、ボードゲームと異なり、運の要素が限りなくゼロに近く、「負ければすべて自分の責任」です。そのような事情も、悔しさに拍車をかけます。
以前、将棋の体験に行ったときに、先生が言っていました。
強くなる子は、だいたい負けず嫌いで、よくしゃべるんだよね
保護者を困らせる「超ド級の負けず嫌い」ですが、こんな風に評価してもらえる師と出会えたなら、親子ともに元気が出ますね。
将棋や囲碁を習うと「年上が年下に負ける」姿を見る機会も増えます。その時の「大人の態度」を見て、ふさわしいふるまいを学んでいってほしいですね。
成長をサポートする側には、根気と忍耐が必要です
英語・英会話
英会話は、もっともポピュラーな習い事のひとつ。
ギフテッドは自分なりの価値判断基準を身に着けていくため、「みんながやっているから良い」という日本の価値観と合わないこともあります。
英語ができると、世界が広がります。
- インターナショナルスクールに転校して登校できるようになった
- 留学して生き生きしている
- アメリカのギフテッドクラスに入れたい
学びたいことを突き詰めていくと、やがて英語が必要になり、そのときでも遅くはありません。
しかし、もし「英語ができるようになってほしい」「インターナショナルスクールに転校させたい」という親の希望があるのであれば、英会話と好きなことを組み合わせるのが、楽しく学べるコツです。
- 料理×英語
- マインクラフト×英語
- プログラミング×英語
- 恐竜×英語
- サッカー×英語
- アニメ×英語
マインクラフト×英語
我が家の男児が取り組んでいるのは、Global Step Academyのゲームベースド・ラーニングのコースです。Global Step Academyには、他にも「算数×英語」のコースや、単発の「恐竜×英語」クラス、STEM×英語、音楽×英語など、テーマが豊富です。
テーマの詳細などは、こちらスポーツ×英語
都内には、英語で行われているスポーツクラブ系の習い事があります。
MyGym
体操系の習い事ができる子供専用スポーツジムです。我が家は、アメリカにいたときに利用していました。当時は幼稚園児でしたが、遊びの延長で参加できるので、子どもも楽しんでいました。
Global Athlete
東京・神奈川・千葉・埼玉などで展開しているサッカークラブです。
English Kids Cheer School
Global Athleteが運営するチアリーディングスクールです。
動画×英語
みんな大好き、Youtube。習い事ではありませんが、今はYoutubeなどでも英語の番組が見られますので、活用してみると良いですね。
私のおすすめは〈Master Chef〉という料理バトル番組。子どもが料理の腕を競う〈Master Chef Jounior〉もあります。幼児には少し難しいので、小学生以上向けです。
子供に任せておくと、知らないうちに意図していない動画に誘導されてしまうので、親の管理下で見せるのがおすすめです。
プログラミング
ギフテッドとプログラミングの相性は、かなり良いようです。
プログラミングの習い事は、最近爆発的に教室も増えています。通学だけでなく、オンラインの選択肢も豊富です。
実は我が家でも過去に一度、プログラミングの通信教育を取ったことがありますが、うまく続きませんでした。
- 対象年齢が広く、当時小1の息子にフィットしなかった
- 親の労力が大きかった
- アプリと連携などデジタルデバイスを使いこなす必要がある
- 親自身がプログラミングをよくわかっていない
親世代はプログラミングを習っていないので、プロに任せるのが安心かなと思います
選択肢がかなり豊富なので、後日プログラミングのみの記事を作成する予定です。
まとめ
今回は、お勉強系の習い事をまとめました。
お子さんが興味を持ちそうな習い事は、ありましたか?
「子どもにフィットする習い事は、20個体験して1個あるかないか」と聞いたことがあります。我が家も、たくさんの習い事で失敗してきました。
続かないのは、子どものせいでも親のせいでもない!
「何か習わせたい!」という方は、怒らず、悲観せず、諦めず、そういうものだと思って気長に探しましょう。
以下の記事でも、習い事を紹介しています。