「うちの子は、もしかしたらギフテッドかもしれない」と思ったことはありますか?
ギフテッドの特徴にいくつか当てはまるんだけど、うちの子はギフテッドかしら? でも、まさかね。
ギフテッドって、小学生で大学の数学ができるんだろ? うちの子は、どちらかと言えば賢いけど、そこまでじゃないよな
今日は、そんな「我が子がギフテッドかどうか、確信が持てない」という保護者の人たちに向けたコラムです。
おさらい ギフテッドとは何か
このコラムにたどり着くまでに、すでにたくさんの情報をしらべた方もいるでしょう。しかし、「ギフテッド」という言葉は、使う人によってかなり認識にばらつきがあります。
まずは、認識を統一しておくために、ギフテッドとは何かをおさらいさせてください。当ブログで「ギフテッド」と書いているときは、下記の定義で使用しています。
ギフテッドおよびタレンテッドは、ひとつまたは複数の分野において、同年齢・同じ環境および同じ経験をしてきた子供たちと比較して、高いレベルの成果を上げることができる(またはその能力を有する)人たちのことである。
ギフテッドの定義や特徴についてより詳しく知りたい方は、こちらからご覧いただけます。
なお、ギフテッドにおおむね共通する特徴はありつつも、あたりまえですが、ひとりひとり違います。それは「日本人」や「男の子」を十把一絡げにできないのと一緒です。
さらに、米NAGC(National Association for Gifted Children)および米SENG(Supporting Emotional Needs of the Gifted)におけるギフテッドの定義を総合すると、下記のような認識は、誤っています。
- 子供はみんなギフテッドである
- IQ130以上なければギフテッドではない
- ギフテッドは発達障害のひとつである
- 発達障害のうちIQの高い人をギフテッドと呼ぶ
- 教育によって子供をギフテッドに育てることができる
ギフテッドは天才ではない
もうひとつ大切なポイントは、ギフテッドは天才とは限らないということです。「天才」に定義はありませんが、誰もが認めるような「天才」は、ギフテッドのなかでもごく一部だと考えてよいでしょう。
よく言われる目安であるIQ130だと、全体の2~3パーセント。ギフテッドに該当する子は実際にはもっと多く、アメリカでは約6%がギフテッドに認定されています。
2~3%ということは、40人クラスに1人くらいいる計算になります。
1学年が100万人として、だいたい2~3万人はギフテッドに相当します。旧帝大の1学年の数が約2万1000人。ギフテッドだからと言って学力が高いとは限りませんが、人数的には旧帝大合格者数くらいの数がいることになります。
ギフテッドはスペクトラムである
続いて、ギフテッドを考えるうえで大切な、もうひとつの考え方があります。
それは、「ギフテッドの特性はグラデーション」であるということです。(参照:米Davidson Institute)
上記の定義に照らし合わせて「明らかにギフテッドである」という子もいれば、「どっちかな……」という子もいます。IQだけで見ても、おおむね115から160以上まで、大幅なばらつきがあります。
発達障害でも、「診断基準は満たさないけど、特性はある」というグレーゾーンの子がいます。同様に、ギフテッドでも「ギフテッドかどうかはわからないけど、傾向はありそうだ」という子が一定数いると推定できます。
困っているならギフテッドの支援を参考にしてみよう
ここまで読んで、お子さんにはギフテッドの傾向があると感じましたか?
大事なのは「ギフテッドかどうか判別する」ことではなく、「目の前の子にどんな支援をしていけばよいか」です。
ギフテッドというラベルは、子どもを理解する手がかりになりますが、「我が子がギフテッドかどうか」に悩んでいて、支援を開始できないのであれば、それはとてももったいないです。
ギフテッドと銘打っていなくても、我が子に合いそうなプログラムや習い事があればやってみればよいですし、ギフテッドと銘打っていても、中身が合わなければあまり意味がないです。運動療育、ビジョントレーニングなどをはじめとする療育などの発達支援も、有効だと思えばやってみましょう。
ギフテッドかどうかにこだわる必要はありませんが、ギフテッドによく見られる困難や、その対応策について学んでおくことは有効です。ギフテッドの特徴や支援についてより詳しく知りたいという方には、こちらでおすすめの書籍を紹介しています。
こちらの記事では、ギフテッドネスの特性がある子供の育て方ガイドを公開しています。