【支援の参考に!】ギフテッドの6つのタイプ

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ギフテッドって、どんな子?【6つのタイプを紹介】

今回は、「Davidson Institute」のコラムから、ギフテッドの6つのタイプをご紹介します。Davidson Instituteはアメリカにあるギフテッド支援の団体です。

今回ご紹介する6つのタイプは、ギフテッドの「生まれつきのタイプ」ではなくて、適応状態の傾向を6つに分類したものです。

ギフテッドの特徴や見分け方を知りたい方は、以下のコラムも読んでみてくださいね。

ギフテッドを分類しようとすると、通常、IQや才能の程度で分類されることが多いです。しかし、今回ご紹介する研究では、社会との関係性(適応)で分類しています。

育て方や、環境との一致・不一致なども関わってくる、より後天的な分類だと言えます。(IQが高ければ高いほど適応には不利でしょうし、発達障害の有無など、生まれつきの要素も影響しているとは思います。)

ジョージ・ベッツとモーリーン・ネイハートは、1988年、ギフテッドを6つのタイプに分類しました。かなり古い論文ではありますが、NAGC(National Association for Gifted Children全米小児ギフテッド協会)から発行されているので、一定の信頼性のある論文といってよいと思います。

著者は、数年間にわたってギフテッドの子供たちを観察し、ギフテッドを6つのプロファイルに分類しました。

ギフテッドの6つのタイプ
  • 成功型(Successful)
  • 反発型(Challenging)
  • アンダーグラウンド型(Underground)
  • ドロップアウト型(Dropouts)
  • 二重ラベル型(Double-labeled)
  • 自律型(Autonomous)

※日本語の名称は当サイトのオリジナルの訳です

この研究では、ギフテッド児を、本人の持っている感情や、行動、態度、大人や周囲との関係で分類しています。それぞれ必要な支援も異なってきます。

6つに分類する意義と必要性

目の前にいるギフテッド児が、6つのどのタイプかを分析することによって、その子が持っている感情を察したり、必要な支援を見極めたりすることができます。

子どもを理解する足掛かりとして、また必要な支援を組み立てる参考として活用してください。

「ドロップアウト型だから子育て失敗」とか、そのような判断に使われるものではありません。分類すること自体が目的にならないように注意が必要です。

また、特に幼少期においては、カテゴリーを頻繁に行き来します。年齢が上がるにつれて、各カテゴリー間を急に移動することは減ってきて、次第に1つか2つのカテゴリーで落ち着くようです。

それでは、さっそく、それぞれの型を詳しく見ていきましょう。

タイプI:成功型(The Successful)

アメリカのギフテッドプログラムに在籍する子の約90%が、成功型に分類されます。

このタイプに分類された子どもは、社会や仕組みをすでに学習しています。また、大人や先生の言うことをよく聞きます。学校や家で「よし」とされることを理解してからは、適切な言動をとります。成績もよく、テストの結果もよいので、ギフテッドという認定も得やすいです。大人からの承認を欲しているので、基本的に問題行動はありません。

「成功型」の子は学校を退屈と感じやすく、仕組みを利用して、最小限の努力でやっていこうとします。自分の興味を追い求めるよりも、学校で求められる行動をなぞり、先生の指示を求めます。言い換えれば、親や教師に依存した状態です。自律するためのスキルや態度を身に着けることはありませんが、成功は納めます。

成功しているので自分に対しても肯定的で、同年代や社会への適応もよいです。一方で、自立や創造性が失われ、優秀ではあっても創造性に欠ける大人になる可能性があるとの指摘もあります。

人生で学び続けるために必要なスキルや姿勢を有していないため、大学や成人期にアンダーアチーブメントになる可能性があります。社会への適応は良いですが、人生への心構えは不十分です。

日本での状況(当サイトの見解)

アメリカでは約9割がこの「成功型」に分類されるとありますが、日本でははるかに少ないように感じられます。これは以下のような理由があると考えます。

「成功型」が少ない理由
  • 問題を起こさないため、ギフテッドだと気づかれない層がある
  • 日本の学校は同調性を求めるため、不適応を起こしやすい

特に一番上の理由が強いと思います。

日本にはギフテッドプラグラムがないので、ギフテッドの判定は行われません。そのため、問題行動や不登校などの問題が起きない限り、ギフテッドだと判明することはほぼないでしょう。もし、日本でもアメリカと同様に9割の成功型がいたとしても、気づかれないままになっているのではないかと思います。

「怒られる不安が強く、行動を起こせない」「完璧な字を書こうとして何度も消す」「ならっていない漢字は書いたらいけないと主張する」などの行動が見られるかもしれませんね。

日本ではこの層への支援はあまり見かけないですが、「塾に通う」「探求塾に通う」「検定・コンテストを受ける」「大会に出場する」などして、チャレンジできる環境を用意できるとよいと思います。中学受験や高校受験などでチャレンジをする機会を得て、社会的に成功される方も多いのではないかと思います。

また、タイプIは、こちらのコラムでは「優秀」に分類されている子たちのように思われます。
※矛盾する内容となっていますが、参考にしてみてください。

タイプII:反発型

ギフテッドについてしっかりとした理解がない学校では、タイプIIの子どもはギフテッドだと気づかれずに見逃されてしまいます。

タイプIIのギフテッド児は創造性が非常に高く、ときに頑固で、融通が利かず、皮肉っぽく感じられることがあります。権威に疑問を持ち、クラス全員の前で教師に反発することもあるかもしれません。規則を守らず、また制度を自分の都合のいいように利用する術を知りません。周りから認められる機会は、ほとんどありません。家や学校では争いが絶えません。

学校で自分の良さや才能が認められないので、不満を抱えており、自分に自信が持てないこともあります。「自分は社会に受け入れられている」と感じられている場合もあれば、そうでない場合もあります。タイプIIの中には、同年代の子とそりが合わず、集団活動の場で浮いてしまったり、仲間外れになってしまう子もいます。一方で、ユーモアのセンスや独創性があり、同年代から好かれることもあります(この場合でも、学校では授業妨害などをすることもあります。)自己肯定感は低いことが多いです。

タイプIIの子は、中学生までに適切な介入がなければ、将来的に道を踏み外したり、薬物中毒になったりする可能性があります。ドロップアウト型(タイプIV)の子の親は、「自分たちの子供は小学校高学年や中学生のときにはタイプIIだった」と言うことが多いです。タイプIIからタイプIVに進行すると証明されたわけではないですが、この点についてはよく考える必要があります。

日本での状況

現状、日本でギフテッドと言われている層は、このタイプIIに相当する子たちが多いように思います。ケアの必要性が訴えられているのもうなずけます。

日本では、「社会性がない」「協調性がない」などと言われがちです。

当サイト管理人の想像ですが、このタイプの子は、字が汚かったり、漢字の宿題を毛嫌いしていることもあるのではないかと思います。お困りの場合は、以下のコラムを参考にしてみてください。

タイプIII:アンダーグラウンド型(The Underground)

タイプIIIのアンダーグラウンド型は、特に中学生女子によく見られます。男子でもギフテッドの特性を隠したがる場合はありますが、その場合はもっと遅く、高校生になってからです。よくあるのは、運動スポーツに力を入れたいというケースです。

中学生になって、同年代の友達に受け入れられたいと思った場合に「アンダーグラウンド型」の傾向を示すことが多いようです。タイプIIIの子供は、とまどいや不安を感じていることが多いです。それまで熱中していた学問や創作活動などに突然興味を示さなくなります。多くの場合、この変化は先生や親からは快く思われません。大人はタイプIIIの子の気持ちを無視して、勉強をさせようとしますが、この時期のタイプIIIの子にとって、周りから受け入れられることは大切です。

すべての勉強や創作活動をやめてしまうことは問題ですが、一時的に代替案を模索するのが賢明です。

日本での現状

このアンダーグラウンド型は、適応を望むあまりアンダーアチーバーになっている状態と言っていいかもしれません。日本は同調圧力が強く、ジェンダーギャップの大きい国でもありますので、特に女児のアンダーグラウンド型は一定数いると思われます。

「わざと間違えて、テストの点数を調整する」こともあるかもしれません。

ギフテッドの女の子とアンダーアチーバーについては、以下のコラムでも解説しています。

タイプIV:ドロップアウト型

タイプIVのギフテッドは、仕組みが合わなかったために、自分は受け入れてもらえないと感じており、大人にも、自分自身にも怒りを覚えています。鬱っぽくなったり、引きこもったり、反抗的な態度・行動をとることもあります。学習課程以外のことに興味を持っていることも多く、学校や周囲からのサポートが得られていません。学校には興味がないか、敵だと思っていることもあります。タイプIVは高校生のことが多いですが、たまにしか学校に行かない小学生や、学校に行ってはいても精神的には学校に所属していない状態の子も含まれることがあります。

ギフテッド認定されたのが非常に遅いケースが多く、判定が高校以降のこともあります。周囲から拒絶され、放置されたと感じ続けてきたために、怒りと苦しさを抱えています。自己肯定感が極めて低く、信頼できる大人と二人三脚で取り組む必要があります。従来のギフテッドプログラムでは効果がありません。このようなケースでは家族全体へのカウンセリングが強く推奨されます。同時に、タイプIVの子への個人カウンセリングも行うとよいでしょう。治療が必要かどうかを見極めるために、診断も必要です。

日本での状況

ここまで深刻な状況になってくると、非行などの問題行動に焦点があたり、ギフテッドネスの特性を見逃されている可能性が高そうです。

小学校低学年で不登校になる子が一定数いますが、その子たちは状態によっては、このタイプVに分類されることもあるかもしれません。

小さい子供の場合、カウンセリングはプレイセラピーという形で行われます。

タイプV:二重ラベル型

肉体的あるいは、心理的または学習的なハンデを抱えているギフテッド児です。

大多数のギフテッドプログラムは、この子たちを対象に作られてはいません。

タイプVの子供たちは、多くの場合、学校側がギフテッドとみなすような言動はしません。字が汚かったり、授業を妨害したり、課題をやり遂げたりすることが難しく、学校でうまくやれないことに本人も困惑しています。ストレスの症状が出ていたり、イライラしていたり、孤独だったりします。

このタイプの子は、課題が「つまらない」「ばかばかしい」と言い、困っていないふりをするかもしれません。低い自尊心を支えるために、他者を見下すこともあるかもしれません。失敗を避け、自分の理想に届かないことに不満を覚えています。怒りっぽく、批判に弱いことが多いです。

このような子供たちは、平均的な子だと思われて支援が届かなかったり、受診が促されたりします。学校のシステムでは、弱点にばかり焦点が当たり、長所や才能がなおざりにされることが多いです。

日本での状況

日本では2Eと言われているタイプです。代表的なのは、ギフテッドと発達障害(学習障害・ASD・ADHD)を併せ持っているケースです。(身体的な障害に焦点が当たることはほぼなく、こちらも課題です。)

高いIQが発達障害による困難をカバーしてしまい、発達障害だと気づかれないことがあるようです。また逆に、発達障害が目立ち、高IQであることに気づかれないこともあります。いずれのケースでも、必要な支援が届きにくくなるので注意が必要です。

日本でギフテッドが発覚する場合、タイプIIとタイプVの子が多いように思われます。発達障害の診断はなくても、発達の凸凹が著しい場合はタイプVに近い状態を示すかもしれません。

タイプVI:自律型

家庭ではこの片鱗が見られることもあるようですが、タイプVIのギフテッドは、年齢が低いうちはほとんど見られません。

タイプIと同様、学校というシステムでうまく活動します。しかし、最小限の努力で済まそうとするタイプIと異なり、タイプVIは学校システムを活用して、新しいチャンスを作り出します。自身のニーズが満たされているので、自己肯定感も高いです。ありのままの自分が受け入れられ、学校からも認められ、順風満帆です。大人からも同年代からも尊敬されていて、学校や地域ではなんらかのリーダーを務めていることがよくあります。

タイプVIの生徒は自立していて、自分の意志で将来を決めます。自分を受け入れて、リスクを取ることを恐れません。タイプVIのポイントは、自分自身の力を信じているということです。自分の人生を作ることができると知っており、他者に変えてもらおうとは思っていません。感情や、要望、目標などを自由かつ適切な形で伝えることができます。

日本での状況

日本では、ギフテッドのイメージが人によって違います。誰かが「本物のギフテッドはこんな子」と言う場合、このような子をイメージしているのかもしれません。

支援者や保護者は、ここを目指すべき地点として支援していきたいと思う方が多いでしょう。

ちなみに、「リスクを取る」行動が賞賛されているのを、英語圏ではよく見かけます。日本で言えば「失敗を恐れない」という感覚かもしれません。

タイプI「成功型」との違い:自律的で、失敗を恐れずチャレンジすることができる。
タイプII「反発型」との違い:社会適応がよい。自分の希望を適切に伝えられる。

タイプを確認して、支援につなげよう!

ギフテッドの6つのタイプをご紹介しました。このカテゴリー分けを参考にすることで、その子に必要な支援が何かを判断することができます。

ギフテッドの6つのタイプ
  • 成功型(Successful)
  • 反発型(Challenging)
  • アンダーグラウンド型(Underground)
  • ドロップアウト型(Dropouts)
  • 二重ラベル型(Double-labeled)
  • 自律型(Autonomous)

日本においては、不適応を起こさない限り、なかなかギフテッドだとは気づかれません。結果として、ギフテッドと呼ばれている子たちは、タイプIIの反発型、タイプVの二重ラベル型が多いように思われます。

以下は、アメリカにおける各タイプの態度・支援方法などの一覧(抄訳・意訳)です。必要な支援を探る手掛かりになればと思います。より正確な情報は、David Instituteのページ(英語)をご確認ください。

※左右にスクロールできます

スクロールできます
感情/
態度
行動支援大人・友人
からの評価
識別方法
成功型退屈
依存
自信
不安
失敗に罪悪感を覚える
外的動機
完璧主義
成績優秀
先生の承認を求める
失敗を怖がる
依存的
欠点を知る
挑戦させる
自立を促す
退屈感への対処
適切なカリキュラム
先生から好かれる
友達から尊敬される
親から愛され、受け入れられる
米GPAテスト
知能検査
教師からの推薦
反発型退屈
不満
自信がない
忍耐力がない
自己正当化
繊細
社会的役割へのとまどい
先生の間違いを指摘する
規則への疑問
正直で直接的
感情の起伏
取り組み方のむら
感情コントロールの苦手さ
創造的
活動的・探求的
正義感
競争心
他者とのつながり
柔軟性を身に着ける
自己認識
自己肯定感を高める
想像力へのサポート
ルールやシステムの調整
怒りっぽい
反抗的
競争的
クリエイティブ
自己コントロールが難しい
おもしろい(同級生)
変化が必要
ギフテッドとは思わない
友人からの推薦
親からの推薦
面接
実績
第三者の大人の推薦
クリエイティブテスト
先生の見解 
アンダーグラウンド型とまどい
プレッシャーを感じている
混乱
罪悪感
自分や感情を見失う
才能がないと言う
ギフテッドプログラムや特進クラスから離脱する
挑戦を拒む
帰属感を求める
友達が変わる
選択の自由
葛藤に気づかせる
自分の感情に意識を向ける
才能へのサポート
ギフテッドの友達とのつながり

大学の情報
自己受容
リーダーと思われている/気づかれていない
平均的でうまくやっている
従順
物静か
リスクを取らない(大人の見方)
ギフテッドの友人からの推薦
家庭の推薦
コミュニティからの推薦
成績
知能検査
実績
教師の見解
ドロップアウト型怒り
絶望
癇癪
自己肯定感が低い
自己正当化
燃え尽き
欠席が多い
課題を放棄する
課外活動に熱中する
授業を聞かない
自己否定
孤立
創造的
自分にも他人にも批判的
集中力がない
平均以下に見える
自己正当化
個別プログラム
徹底したサポート
代替案(個別指導や転校)
カウンセリング(個人・グループ・家族)
治療・療育
大人からは怒られる
同年代からは批判される
一匹狼、負け組、不良、バカだと思われる
受け入れられない、からかわれる
危険、反抗的
過去の記録
以前の担任への聞き取り
IQと成績のギャップ
科目間のギャップ
クリエイティブテスト
ギフテッドの友人からの推薦
課外活動の実績
二重ラベル型無力感
自信がない
不満
無自覚
怒り
成果にバラつきが見られる
平均以下に見える
授業妨害・癇癪
強みを伝える
対処法を学ぶ
ギフテッドプログラム
カウンセリング
療育
変わっている
人の話を聞かない
対応がわからない
同年代から浮く
能力的には平均以下
障害に注目される
WISC/WAIS下位検査で11ポイント以上のばらつき
親しい人からの推薦
支援級の担任などからの推薦
面接
実績
教師の見解
自律型自信がある
自己肯定感が高い
情熱的
他者からの受容
サポートを受けている
学習意欲旺盛
失敗を受け入れる
内的動機
自己効力感
他者を受け入れる
社会的スキルがある
自律的に取り組む
自らゴール設定をする
物事への取り組みにおいて大人の承認を求めない
探求する
創造的
リスクを取る
正義感
アドボカシー(権利の保護)
フィードバック
ファシリテート
リスクのサポート
適切な機会
同性代からも先生からも受け入れられている
能力を賞賛される
保護者からは有能で責任感があると思われる
周りにいい影響を与える
成功している
精神的に健康
米GPAテスト
実績
作品・成果物
学業成績
面談
教師・友人・保護者の推薦
自己推薦
知能検査
クリエイティブテスト

「ギフテッドは将来、どんな大人になるの?」「支援って、具体的にどうすればいいの?」と思った方へ。以下のコラムでは、専門家の見解をもとに、ギフテッド子育てのポイントを紹介しています。

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