我が子がギフテッドかもしれないと思ったら、こんな疑問がわいてくると思います。

でも、本当にギフテッドなの?



どこでそれを確認できるの?
今回は、「ギフテッドの判定方法」と知能検査(IQテスト)についてご紹介します。
ギフテッドは診断できない
最初にお伝えしたいのは、ギフテッドは診断されるものではないということです。
「診断」は、病気に対してされるものです。ギフテッドは、病気ではありません。ですから、病院でギフテッドを診断することはできません。
ギフテッド「判定」ならできる?
それでは、「診断」ではなく「判定」ならできるのでしょうか?
残念ながら、国内においてギフテッドを正式に「判定」したり「認定」したりする機関はありません。少なくとも、当サイトでは確認できておりません。
ただし、病院によっては、「ギフテッドの可能性がありますね」「いわゆるギフテッドです」という一言があるかもしれません。また、WISCなどの検査をした心理士さんからも、「ギフテッドかもしれませんね」という指摘があるかもしれません。
これは、「ギフテッドと診断された」「ギフテッドに認定された」とは違います。しかし、医師や心理士などから、このようなコメントがあれば、保護者はある程度このコメントを信頼して、育児の指針にすることができます。
日本においては、公的にギフテッドを判定することはありませんが、民間でなら、「ギフテッドを認定する」取り組みが行われ始めています。
ただし、中には「どんな基準で判定しているか曖昧」だったり、「何の資格もないまま判定をしている」ケースもあります。「ギフテッドを判定します」という団体がある場合には、その信頼性をしっかりと確認をすることが大切です(病院であっても知識が足りないと思われるところもあります)。
当サイトでは、以下の書籍をお勧めしています。
>>わが子がギフティッドかもしれないと思ったら
>>ギフテッドの個性を知り、伸ばす方法
>>ギフティッドの子どもたち
お子さんがギフテッドかもしれないと思っている場合、『ギフテッドの個性を知り、伸ばす方法』が最初の1冊におすすめ。より詳しくは、以下のページでご紹介しています。
また、相手にしっかりとした知識があるかどうかを判別するためには、ご自身である程度の知識をつけておくことが大切です。北海道大学の片桐教授の書籍、海外のギフテッド研究の第一人者であるウェブ博士の本、教育学の
また、ギフテッド判定とは異なりますが、ギフテッドとされる子供のなかには、MENSAに入会している子供もいます。ここで同様の特性を持つ子供たちと交流することができます。
ただし、MENSAに入会するためには、知能テストを受けて一定の水準をクリアする必要があります。動作性IQ(ワーキングメモリや処理速度)が低く、全体のFSIQが130に満たない場合、ギフテッドであっても入会ができないことがあるかもしれません。
ギフテッドが判明する流れ
「うちの子は、ギフテッドなんです」という場合、以下のような流れをたどっている方が多いように思います。
癇癪、不適応、過剰適応、不登校、不安障害、不眠など。
育てにくさを感じた保護者が、あるいは発達障害を疑った先生のすすめなどで知能検査を受けます。テスト結果により、高IQが発覚します。
検査した心理士や、病院から、「ギフテッドに相当するかもしれない」というフィードバックがある(診断ではない)。または、保護者が調べて、ギフテッドの概念に行きつく。
知能検査は、数か月待ちなどのこともあり、すぐに受けられるとは限りません。そのため、STEP2とSTEP3は逆になることも多いです。
また、現時点で大きな問題がなくても、「不適応を起こしそうで心配」「いわゆる『普通』から大きく外れているようだ」などの理由で、発達検査や知能検査を受けることもあります。
育てづらくはないけど、子どものIQを知りたい場合
大きな問題がない場合、知能検査は自費になることが多いです。



検査費用の目安は2万円です



子どものIQは知りたいけど、そんな高いのはちょっと……



困りごとはないけど、子どものIQを測ってみたい場合、ベビーパークなどの幼児教室で、知能検査を受けられます
ベビーパークの知能検査は、WISCではないため、WISCのスコアと比較することはできません。
しかし、お子さんのテスト結果が「全体のどのあたりに位置するか」がわかります。また、「概念」「図形」「記憶」など項目別のスコアが出るので、本人の得意と不得意を把握することができますよ。
- 困りごとがない
- 検査だけで2万円はちょっと高い
- 検査結果に基づいた学習アドバイスがほしい
- その後の能力開発にも興味がある
- 年齢が小さく、WISCを受けられない
入会時に初回のIQテストを受けて、その後も定期的に受けられます。
>>ベビーパークの詳細はこちらオンラインのIQテストでIQ検査ができる?
オンラインのIQテストでは、正確な数値はでません。
WISCなどの知能検査は、心理士のもとで行われ、多くの場合1時間以上かかります。IQは4項目~5項目に分けて測られますし、月齢も考慮されます。
オンラインのIQテストでも傾向などはわかるかもしれませんが、正確とは言えません。


我が子がギフテッドかどうか知りたいときは



「発達障害の傾向は少ない」と言われたのに、どうしてこんなに育てづらいの? ギフテッドかどうかはっきりさせたい!
このような場合には、まずはメンタルクリニックや教育センターなどでWISCのテストを受けるといいかもしれません。
ギフテッドはIQだけで判断するものではありませんが、ほかに定数的な指標もないため、IQを見るのが手っ取り早いというのも確かです。
WISCでは、「知的ギフテッド」をある程度あぶりだすことができます(完全ではありません)。しかし、当然ではありますが、音楽の才能やアートの才能については測ることができません。
WISCの結果や、普段の行動を見て、ギフテッドの可能性があると感じるなら、『ギフテッド外来』を受診してみてもよいかもしれません。



『ギフテッド外来』で検索してみて
ギフテッド外来では、以下のようなことをしてもらえる可能性があります。
- ギフテッドである可能性の指摘
- 薬・漢方の処方
- 知能検査
- 発達障害の診断
- そのほか必要な検査の案内
- 問診・教育相談
- 家庭でできるトレーニングの案内
- ギフテッドの診断
※すべての病院が同じとは限りません。
ギフテッドだとわかると、どんなメリットがある?
ギフテッドだとわかったところで、「特別な学校に進学できる」とか「無料で療育が受けられる」とか、そのようなわかりやすいメリットがあるわけではありません。
けれど、この子はギフテッドかもしれないと思うと、親にはいろいろな変化が訪れます。
ギフテッドの可能性を視野に入れたときのメリットとデメリットをご紹介します。
- 『ギフテッド外来』にかかり、信頼できる相談先が増える
- ギフテッドについて親が学び、かかわり方の目安になる
- 発達障害の傾向だと思っていたものが、実は違うことに気が付く
- 行動の背景がわかり、子に寛容になれる
- 子供に必要以上の期待をかけてしまう
- 「ギフテッド」という色眼鏡で子供を見てしまう
- 「才能探し」をしてしまう
- 問題が起きたとき、ギフテッドだから仕方ないと思ってしまう



「友達と仲良くできないのは、ギフテッドだから」など、うまくいかないことをすべてギフテッドと関連付けてしまうのは、キケンです
ギフテッドかどうかわからない場合
WISCを受けたけれど、やっぱりギフテッドかどうかわからないという場合もあるでしょう。
- IQ130なかった。けれども、困りごとなどは「ギフテッド」と似ている
- IQは130を超えているけど、いわゆるギフテッドの特徴にはあてはまらない
- IQ130あるけど、天才には見えない
「WISCが130未満だけど、困りごとが似ている」という方はこちらをご参考ください。FSIQ130未満だけれどギフテッドと思われるケースをご紹介しています。


なぜこんなことが起こるのか?
ギフテッドは、はっきりと区切りをつけられるものではありません。発達障害にもグラデーションがあるように、ギフテッドにもグラデーションがあります。
「誰が見ても、一見して明らかに、ギフテッド!」という子もいれば、「少しギフテッドっぽいところがある」という子もいます。
また、私の感覚ではありますが、「天才」は「ギフテッド」のなかのごく一部です。ですから、「IQ130あるけど天才ではない」ということは、普通に起こります。また、ギフテッドの親自身がギフテッドである可能性も高く、その場合、子供の才能を過小評価しがちだということも、申し添えておきます。
外部サイトですが、こちらのコラムがおすすめですので、ぜひ読んでみてください。


また、発達検査や知能検査は万能ではありません。テストを受けたときの本人のコンディションや、心理士との相性などによっても、検査の値は変わります。(下振れしやすいと言われています。)ですから、本来持っているIQよりも、低い結果が出ることがあります。
さらに、ギフテッドは、WISCにおいて「言語理解」が高く、「知覚推理」も高め。「処理速度」が低いというスコアを示すことが多いと言われています。IQの数値自体は低めであっても、同じような傾向がある場合、似たような困難を抱えることもあるかもしれません。
基本は我が子を見ること



ギフテッドとも言い切れないし、発達障害も違うと言われるし、HSC(ハイパーセンシティブチャイルド)なのかな?
我が子が何者かを知りたくて検査をしたのに、結局わからない! 我が子を知る糸口が何もない!
困りますよね。でも、このような子は、意外にたくさんいるのではないかと思います。そんなときは、残念ながら、親が試行錯誤するしかありません。「ギフテッド」「発達障害」「HSC」などを勉強して、その中から我が子に取り入れられそうなものを取り入れていきましょう。
私が読んだ中で、最初の1冊にぴったりだと感じた本をご紹介します。
まとめ
今回は、ギフテッドの判断方法をご紹介しました。
残念ながら、現在の日本で、ギフテッドを診断したり、正式に判定・認定することはできません。
しかし、WISCなどの正式な知能検査をすることで、知的ギフテッドの傾向があるということが、わかる場合もあります。
「ギフテッド傾向があるか知りたい」、「IQのバランスを知っておきたい」と考える場合には、WISCを受けて、専門医を受診するのがもっとも妥当な方法だと思います。
以下のページでは、ギフテッドの特徴や、よく見られる行動・困りごとなどをご紹介しています。



