【徹底解説!】ギフテッド2Eとは?

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ギフテッド2Eってなに? どんな特徴があるの?

ギフテッドも、学習障害、発達障害、視覚障害、聴覚障害などを持つことがあります。

ギフテッドも障害も少数派であるため、こうした「障害とギフテッドの特性を併せ持つ人」のことを、二重に特別という意味で、twice-exceptional(2E)と呼びます。

視覚障害や聴覚障害のあるギフテッドについては、まだ世間的にもあまり論じられていないようです。ギフテッド×視覚障害、ギフテッド×聴覚障害については資料が少ないため、本ブログでは、発達障害に絞って書いていくことをご了承ください。

目次

ギフテッド2Eの種類

発達障害と学習障害に限って言えば、2Eには、以下のようなものがあります。

  • ギフテッド+ASD(自閉症スペクトラム)
  • ギフテッド+ADHD
  • ギフテッド+LD(学習障害)

また、ギフテッド+ASD+ADHD、ギフテッド+LD+ADHDなど複数の組み合わせのこともあります。

定義上、知的障害を併せ持つことはありません。

ただし、WISCなどのIQテストにおいては、一部の下位検査(処理速度やワーキングメモリ)が平均の100より下になることがあるようです

ギフテッドな子供たちのIQサンプルはこちらから見られます。(下位検査が100以下の例もあります)

ちなみに、発達障害を併発していないギフテッドのことを2Eと区別して英才型と呼ぶこともあります。

ギフテッドと発達障害の違いについて

ギフテッドと発達障害は、まったくの別物で、わけて考える必要があります。ですから、以下のような考え方は、間違っています。

  • ギフテッドは発達障害のひとつである
  • 発達障害のうち、IQの高い人をギフテッドと言う
  • 発達障害という呼び方がよくないので、最近はギフテッドと言う

『ギフテッドの個性を知り、伸ばす方法』には、ギフテッドの人たちを発達障害という観点から分類すると、以下の4つにわけることができると書いてあります。

  1. 発達障害を併存している(2E)
  2. 発達障害の特性を持っているが、診断基準の一部しか満たさない
  3. 発達障害の特性と間違われる特徴を持っている
  4. 発達障害の特性が少ない(目立たない)
ギフテッドの個性を知り、伸ばす方法』

順番に説明していきます。※以下私見です。

発達障害を併存している(2E)

ADHD、ASD、LDなどの発達障害をひとつまたは複数持っているギフテッドたちです。なお、発達障害は医学的な基準なので、医師が診断する必要があります。

40以上の発達の凸凹があっても2Eとは限らないので、自己判断は禁物です

また、以前に発達障害の診断を下されている場合も、誤診の可能性は捨てきれません。場合によっては、ギフテッドに詳しい専門医に診てもらってもよいですね。

発達障害の特性を持っているが、診断基準の一部しか満たさない

発達障害の傾向はあるが、発達障害の診断基準を満たさないため、診断にはいたらない。いわゆる発達障害の「グレーゾーン」です。

発達障害の特性の強さを1~10で表したら、9や10ではないんだけど、4~7くらいあるかな?というイメージです。(繰り返しますが、私見です)

発達障害の特性と間違われる特徴を持っている

ギフテッドには、発達障害と間違われやすい特徴があります。間違われやすい特徴には、以下のようなものがあります。

  • 授業のレベルが合わず退屈になって歩き回る(ADHDと間違われる)
  • 同世代の友達と会話がかみ合わずコミュニケーションが取りにくい(ASDと間違われる)
  • 過集中で周りのことが見えなくなる(ASDやADHDと間違われる)
  • かんしゃくや完璧主義がある
  • 感覚過敏
  • 不安が強い

発達障害の特性が少ない(目立たない)

少し強引かもしれませんが、「純粋にギフテッドの特徴だけを持つ人たち」と考えてよいと思います。発達障害はグラデーションの特性ですので、「発達障害の特性がゼロ」という人は一般的にもほとんどいません。

「身長、体重が月齢平均とぴったり一緒!」という人があまりいないのと一緒、と思えばイメージしやすいかもしれません。

上記4パターンのうち、2Eと言えるのは1だけです。また、すでに発達障害を診断されていても、実は2や3で、誤診だったという可能性もあります。

2Eのあらわれ方

2Eの人たちは、ギフテッドや発達障害に気づかれにくいことがあります。具体的には、以下の3パターンに分かれます。

  • 発達障害がギフテッドの特徴を隠す(発達障害に見える)
  • ギフテッドの特徴が発達障害を隠す(発達障害だと気づかれない)
  • 発達障害の特徴とギフテッドの特徴が相互に打ち消しあい、普通の子に見える

ひとつずつ解説していきます。

発達障害がギフテッドの特徴を隠す(発達障害に見える)

発達障害の特徴が目立ってしまい、本来の力が見えにくい人たちです。発達障害のサポートは受けやすいようですが、得意をのばすという点に関してはサポートが受けにくいと考えられます。

ギフテッドの特徴が発達障害を隠す(発達障害だと気づかれない)

ギフテッドの子たちは賢いために、苦手な部分を高い能力でカバーしていることがあります。

たとえば、「相手の気持ちを感じ取ることが難しいが、類推して補っている」とか、「書字障害があるが、読解ができるので障害に気づかれにくい」など。

必要なサポートが受けられない可能性があります。

発達障害の特徴とギフテッドの特徴が相互に打ち消しあい、普通の子に見える

このタイプがもっとも多いと言われています。できない部分について「努力不足」と言われがちです。

ギフテッドとラベリング

子供に「ASD」「書字障害」などのラベルを与えると、その枠で子供を見てしまうというリスクがあります。発達障害などでは、それゆえ、「その子本人を見ましょう」など、ラベリングに対して否定的な意見もよく見かけます。

しかし、ギフテッドについては、「適切なラベリングを」という声が大きいように思います。

これは、ギフテッドが社会的にまだまだ認識されていないためかもしれません。ギフテッドの子たちは、誤ったラベリングや、片手落ちのラベリングを与えられてしまうことが、とても多いのです。

誤ったラベリングにより、誤った支援が行われたり、必要な支援が受けられなかったりします。

2Eの発生頻度

保護者

2Eの人って、どのくらいいるの?

ギフテッドの人は、発達障害を併存している割合が一般よりも高いと言われています。

どんぐり発達クリニックの宮尾院長の資料によれば、平均的なIQの人たちのなかで、発達障害が発生する割合は6.5%ですが、ギフテッドではその約2倍。これは人口全体の0.3~0.45%にあたります。

つまり、ギフテッドのなかで2Eの人は13%~20%ということになります。

2Eも英才型も支援が必要

今回のコラムでは、2Eについてまとめました。

このように見ると、「問題を抱えるギフテッドって、2Eだけでは?」と思うかもしれません。しかし、英才型に分類されるギフテッドも「繊細さ」「激しさ」などの特性を持っており、「生きづらさ」を抱えやすく、環境調整や支援が必要だと言われています。

優秀な子とギフテッドな子の違いが気になったら、こちらをご覧ください。

ギフテッドとASDの違いについては、こちら。

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