
ギフテッドって、頭いいんでしょ? 当然、勉強は得意だよね
「ギフテッド」というと、社会的には、そんなふうに思われているんじゃないかなと感じています。
けれども、ギフテッドも学業不振になることがあります。
頭がいいのに学業不振ってどういうこと?
今日は、「ギフテッドなのに勉強ができない」現象を解説していきます。
ギフテッドは天才ではない
まず最初に、「ギフテッド=天才ではない」ということを、はっきりと書かせていただきます。ギフテッドのなかに天才がまざっているというイメージのほが、より実態に近いと思います。
ギフテッドの定義は確立されていませんが、仮にIQ130をひとつの基準にしたとします。IQ130は、上位2~3パーセントにあたります。これは、クラスに1人いる計算になります。
上位2~3パーセントといわれても、イメージがわかないかもしれません。成人男性の身長で例えてみましょう。183cm以上が約2.5パーセントです。
少々乱暴な例えですが、「すごく珍しいというわけではない」ことが、伝わるといいなと思います。



少数派だけど、いますよね
ギフテッドなのに勉強ができない
さて、ギフテッドの中には、本来持っている自分の力よりもはるかに少ない力しか発揮できていない人がいます。
そのような状態を、アンダーアチーブメントと言います。
アンダーアチーブメントには、学業以外のことも含まれますが、ここでは、特に学業に絞って話をすすめていきます。
まずは、『わが子がギフティッドかもしれないと思ったら』より1文をご紹介します。
あいにく、多くのギフティッド児が学校でアンダーアチーブを身につける。基準が低く、ほとんど努力なしに達成できてしまい、ギフティッド児の能力ばかりが褒められるとしたら、しっかりとした学習習慣や自発性は育たない。努力をあまりせずとも成功できるという感覚が身につき、学年が上がるに従いよい成績を修めるには努力を要するようになったときに失敗する土台をつくりあげてしまう
『わが子がギフティッドかもしれないと思ったら』
ギフテッドは、小学校レベルの問題であれば、とくに勉強をしなくても理解できてしまいます。そのため、「勉強をしなければ、テストで点数がとれない」という当たり前のことを経験できません。
しかし、中学・高校と進み、勉強の難易度が上がってくると、どこかで「勉強をしないと点が取れない」タイミングがやってきます。
このときに、勉強をする習慣がないので、学業でつまずいてしまうのです。
なんだ、たんなる怠慢じゃないか!と思いますか?
けれども、これはギフテッドの子どものせいばかりとは言えません。
ギフテッドは本来、学ぶことが好きです。
けれども、ギフテッドが勉強しなくなる要素が、小学校にはあります。
要素1:学びたい気持ちを否定される


小学校は一斉教育の場なので、他の子よりも先に進むことが許されません。
難しい漢字を覚えても、算数オリンピックの問題が解けても、学校の勉強を先に進めても、小学校では役に立ちません。
それどころか、こんなことを言われて、意欲の芽をつまれてしまうのです。



・その漢字はまだ習ってないから書いたらダメだよ
・来週(来年)やるから、待っててね
・先取学習はやめましょう
先生にしてみれば、「習っていない漢字をやると、書き順を間違って覚えてしまう」とか、「先取学習をすることで学校の勉強がつまらなくなってしまう」とか、理由もあるでしょう。
35人を先生1人で見ていれば限界もありますし、その子のためだけに授業を進めるわけにはいきません。
丁寧に説明をしなければわからない子もいますから、そちらに注力して教えることになってしまうのは、仕方がないですね。
けれどもギフテッドの子供にしてみれば、学びたい気持ちを否定されている状況です。
意欲の芽を摘まれ続けているのです。



ちなみに、ギフテッドの子どもたちは、理解力が高いです。授業に退屈している原因が、先取学習とは言い切れません。
要素2:苦手な基礎ばかりさせられる
また、ギフテッドの子どもたちは、思考力を要求される難しい問題にチャレンジすることが好きです。
一方で、簡単な問題にはあまり興味がなく、計算ミスをしたり、式を書かなかったりします。
すると、周りの大人は、当然の流れではありますが、こんなふうに思います。



応用問題ばかりやりたがるけど、基礎問題でミスが多い。まずは基礎をしっかり!
ここでも、ギフテッドの子どもたちは、「難しい問題にチャレンジしたい」という学習意欲を摘まれ、苦手な単純作業の反復を強いられているわけです。
これはスポーツで例えるなら、「サッカーをやりたいのに、走り込みばかりさせられている」ようなもの。「走るのが遅いから、サッカーをやるのはまだ早い」と言われ、サッカーをやらせてもらえない状態です。
ちなみに、完璧主義の子も多いので、「簡単なこともできない」自分にいたたまれなくなっている可能性もありますよ。
成績が悪いギフテッド


また、アンダーアチーバーとは違いますが、テストがよくできていても成績が悪いことがあります。
ギフテッドは、先に述べたように、簡単な問題にやる気が起きなかったり、反復練習が嫌いなことが多いです。ですから、毎日の宿題に大きな抵抗を示すことがあります。
また、授業が本人に合っていないため、授業中ぼーっとしていたり、テストでは途中式をすっとばして答えを書いたりします。
学校の成績は、テストの点数だけで決まるわけではありません。
授業に積極的に参加してるかどうかや、提出物も成績に加味されますし、場合によっては担任の先生の主観も影響するでしょう。
そのため、テストの点数は良くても、成績は普通か、むしろ悪いということが起きます。
まとめ:ギフテッドも学習不振になる
残念ながら、ギフテッドの子が学校の授業を楽しめるとは言い切れません。
「学校が合わない」「授業がつまらない」などの声も聞かれます。
だからこそ、世界各国でギフテッド教育が取り入れられているのかもしれませんね。
そうは言っても、ギフテッドがみんな、学習不振になるわけではありません。
学校は友達と遊ぶ場所と割り切って、学習は塾を活用する、という選択をされているご家庭もあります。
中学受験塾の学習は難しいので、ギフテッドの子も、「ちゃんと勉強しないと点が取れない」経験を積むことができますよ。
以下のブログでは、ギフテッド児の子育て指針を紹介しています。育て方に迷ったら、ぜひご一読ください。


また、「ギフテッドな子」と「優秀な子」は、性質が異なると言われています。

