働いているにも関わらず子供が不登校になったら、しかもまだ低学年だったら、仕事を続けるかどうか悩みますよね。私も、そうでした。
小学校1年生、あまりに早すぎる不登校。
「続ける」「やめる」その答えを出すことは、子供の保護者にしかできません。けれども、このブログが、判断材料のひとつになればうれしいです。
仕事を続けるかどうかは、キャリアや家庭環境だけでなく、不登校の原因や子供の状態なども含めて、総合的に考える必要があります。
子供が不登校になったときの選択肢には、以下のようなものが考えられます。
- 仕事を辞める
- 在宅勤務に切り替える
- 休職する
- 転職する
- 職場に子供を連れていく
- 配偶者や両親・親戚が子の面倒を見る
- フリースクールに通う
- 子ども1人で過ごす(家・図書館など)
家庭・仕事の事情
まず、仕事の状況と家庭の状況を整理しましょう。
例えば、あなたがこれまでフルタイムで働いてて、キャリアを築き上げていた場合、すぐに仕事を辞める決断をするのは難しいですよね。ですが、「メンタルが弱っている小学校低学年を、何時間も家で1人にしておくわけにはいかない」と考える方が多いです。その場合、子どもの心に寄り添いつつ、可能であれば預け先を探します。
また、高学年になれば1人で過ごせるようになると想定して、休職してもいいかもしれません。
一方で、経済的な事情で仕事を辞めることができない場合もあります。その場合には、転職や在宅勤務に切り替える方法を探っていくことになります。
中には、職場の理解があり、子供を連れて出勤したという例もあるようです。
また、子供が小学校に上がったタイミングで仕事を始めたという人もいますよね。その場合には、まだ継続年数が浅く「築き上げたキャリア」というほどでもないため、退職を決意される方が多いようです。もっとも、「仕事をはじめて早々に辞める」ことになるので、気まずさを覚えることも多いでしょう。
今後の見通し
不登校が一時的なもので、1カ月でおさまるならば、仕事を辞める必要はありません。ただ、1カ月で完全に学校に復帰する例は少ないように思います。
そうは言っても、2カ月くらいで、学校には行けなくてもフリースクールには通えるようになるかもしれません。あるいは、教室には入れなくても、保健室などで過ごせるかもしれません。
また、低学年のころは登校できなくても、「高学年になると、いろいろなことを受け流すことができるようになり、学校にも割り切っていけるようになった」という話もきいたことがあります。
そのあたりは、ケースバイケースです。親としては、見通しが立てば対策も立てられるのですが、事前に判断することは難しいです。
不登校の原因
低学年で不登校になる場合、原因は母子分離不安であることが多いと言われています。
「母子分離不安」と言われると、まるで親子関係に問題があるかのように聞こえるかもしれませんが、「子供にとって、学校が安心できる場所でないため、母親という安心できる存在を求めている」という表現が、よりしっくりきます。
ギフテッドのお子さんは、小学校が合わないことも多いです。また、母子分離不安が強いと言われており、子どもの不安を解消できるのは、お母さんだけということもよくあります。配偶者や両親と協力して乗り越えていきたいと思っても、子供のほうが母親しか受け付けない場合もあります。
低学年不登校児の居場所
残念ながら、低学年で不登校のお子さんが、親から離れて安心して過ごせる場所は、ほとんどありません。学童保育は午後からですし、習い事などの場も午後からです。児童館も、午後からのことが多いです。また、公園では見守る人がいません。
フリースクールや適応指導教室も、小3や小4からのところが多いです。
居場所になるとしたら、図書館でしょうか。面倒を見てくれるわけではありませんが、何も干渉されない距離感が、居心地がいいです。
仕事は続ける? やめる?
仕事を辞める場合
仕事を辞める場合のメリット・デメリットは下記のとおりです。
メリット | デメリット |
---|---|
子供の対応に専念できる 子供が安心して学校を休める 子供が安心する(母子分離不安の場合) | 収入が途絶えてしまう 築いたキャリアがダメになってしまうかもしれない 子供が自分を責める可能性がある 気分転換しづらい |
仕事を辞める最大のメリットは、不登校児のケアに専念できることです。教育センターや病院、担任の先生との面談など、不登校の親は意外に忙しいものです。回復してくるタイミングでは、登下校の付き添いや、母子登校(父子登校)ということもあります。オフィス勤務だとなかなか動けません。
一方のデメリットは、収入面と、過干渉です。
メンタルを崩した子供と四六時中一緒にいるのは、相当に堪えます。かんしゃくも起こすし、兄弟げんかも増えるし、親は寝ても覚めても子供の不登校のことで頭がいっぱい。
また、子供が精神的に回復してくると、子供に対するいろいろな要求が頭をもたげてきます。不登校の子供と過ごしていくなかで「子供の意思を尊重する大切さ」を身をもって体感しているのですが、それにも関わらず、つい「フリースクールに行ったらどうだろうか」「個人の学習塾がいいかもしれない」「インターナショナルスクールを見学に行こう!」などと、意見を押し付けたくなるものです。仕事をしていれば、ほかにエネルギーを打ち込める対象があるので、過干渉を防ぐことができるのではないかと思います。
ちなみに、低学年であっても、親が仕事を辞めたことについて責任を感じる子もいます。
仕事を続ける場合
メリット | デメリット |
---|---|
収入が安定する 家庭以外の場があることで気分転換になる | 多忙で精神的余裕がなくなる 通院などのサポートがしづらい |
仕事を続けるメリットは、収入面で安定することです。
不登校児は、お金がかかります。メンタルで不調があればカウンセリングが必要かもしれませんし、発達凸凹があればその療育も必要です。学校に行かないなら、勉強面は通信教育や塾にお願いしなければならないかもしれません。フリースクールだって、高いです。
親が仕事を続けることができれば、選択肢が広がります。
また、不登校の子どもとずっと一緒にいると、親にも相当な負担がかかります。仕事ができれば、きっといい気分転換になるでしょう。
コロナのおかげで、在宅勤務という働き方も浸透してきました。在宅勤務に切り替えられないか、会社に相談してみてもいいですね。
転職する
知り合いに、子供が低学年で不登校になった方がいます。その方は、シングルマザーでした。彼女は、自宅で働ける仕事に転職をしました。
膨大なエネルギーがかかりますが、このような解決方法もあります。ちなみに、数年後、子供が安定したタイミングで、元の職場に戻りました。
休職する
不登校児は、いつまで不登校するかわかりません。数カ月のうちにフリースクールに通えるようになるかもしれませんし、小学校・中学校とずっと自宅学習になるかもしれません。担任の先生が変わり、学校に行けるようになることもあるでしょう。
仕事を辞めて、3カ月でフリースクールに通えるようになったら? 退職するのはもったいないと思うかもしれません。その場合には、休職できないか相談してみるといいですね。ちなみに、不登校で介護の認定を取るのは難しいため、自己都合による休職になることを覚悟しておきましょう。
休職のメリットは、家族にとってちょうどいいタイミングで復帰できることです。理解のある職場であれば、フルタイムではなく、時短勤務や週3勤務などの融通が利くかもしれません。
まとめ
子供が不登校になったとき、小学校低学年だと、まだ1人でできることにも限りがあり、働き方に制限が出ることも多いと思います。我が家は母親である私が仕事を辞めることにしました。
私は再就職したばかりでキャリアというほどのものもありませんでしたし、幸いにも、家計的に問題ありませんでした。
家庭の事情や、地域の事情もさまざまです。家族にとって、ベストな選択ができるといいですね。
仕事を辞める決意をした場合、親が勉強を見ることになるかもしれません。このブログでは、不登校低学年のタイムスケジュールも公開しています。
不登校になっても、大丈夫! ホームスクーリングも楽しいですよ!
ポスト内容は、「ギフテッド関連」「子育ての困難」「中学受験」「不登校」「おうち英語」「知的好奇心を刺激するイベントの紹介」など。情報収集・交流の場としてご活用ください。